公共のモザイク画案内 No.7

「平和と芸術」1959(昭和34)年

原画 : 北川民次

制作 : 矢橋六郎 他

大理石モザイク壁画(レリーフ)

CBC会館 外壁  名古屋市中区


メキシコ壁画運動に影響を受けた北川民次は、誰でもいつでも見ることができる壁画で表現することを強く望んでいました。

この壁画はまさに、誰でもいつでも見ることができます。

美術評論家・今泉篤男の推薦で、民次は6.8 × 16.4mの壁面を得ることができたそうです。 


「平和と芸術」

裸婦がそれぞれ手にしているものを見てみると、楽器、ペンとインク、筆、ハンマー、定規とコンパス、鳩など、画題の象徴がわかります。


私にはミューズ(学芸の女神)を描いたように見えますが、それには1人足りません。

よく見ると、中央左下に民次の象徴バッタがいます。

バッタを含めて9人のミューズとしたのではないでしょうか。


また、左側4人の構図とほぼ同じ「音楽家たち」というリトグラフがありますので、機会がありましたら図書館などでご覧ください。


制作は公共のモザイク画でおなじみの矢橋六郎。石に彫られたサインには他に朝妻治郎、勝呂忠、執行正夫、KINOSHITA とあります。

制作者のひとり勝呂氏の本には、「世界各国の大理石を使っています。間接方法で制作した磨き肌で、壁面から全体を前にだしたレリーフです。」と書かれています。


他の壁画と同じく、建物が古くなっていますので末永く保存されることを願います。


明日(2018.4.25)、NHK名古屋の番組「まるっと」(午後6時15分〜)で名古屋のモザイク画特集が放送されるそうです。